日本人を冒険する
発売日
2001年10月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57617-6

日本人を冒険する
あいまいさのミステリー

著者 呉 善花著 《国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主任研究員》
主な著作 日本が嫌いな日本人へ』(PHP研究所)
税込価格 565円(本体価格514円)
内容 日本での生活体験を通して、いよいよ見えてきた世界にも稀な日本人の特異性。中国人や韓国人とは異なる日本人の謎に迫る力作評論集。



 日本人は、何を聞いても曖昧に頷くばかりで何を考えているのかわからない。長く日本に暮らす外国人でも、こんな感想を述べることが多い。実際、彼らは、同じアジア人であり、儒教文化、漢字文化など、いくつかの共通点を持っているにも拘わらず、日本人よりも中国人や韓国人に共通性を見出すことが多いらしい。

 本書は、来日以来約20年、日本と日本人を見つめ続けてきた著者が、外国人には理解されにくい「日本人の特異性」について、それは何処から来たものなのか、今後日本人が「世界標準化」して行くにはどうすればよいのかを、女性の目を通して、分析し、提言したものである。

 一読した限りでは、欧米人による日本人論と共通する視点も多い。が、日本の生活にどっぷり浸かりながらも、観察者としての冷静さを失わない分析は、かえって日本人にとって、その「特異性」を認識しやすいから不思議だ。その意味で、自らの特異性を理解するには格好の一冊といえよう。