超現代語訳 百人一首
発売日
2001年12月03日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57669-5

超現代語訳 百人一首

著者 藪小路雅彦著
税込価格 524円(本体価格476円)
内容 本書は、本歌を五七五七七のリズムに乗せ、現代語で詠み直した画期的な百人一首の入門書。これなら歌意もよくわかる。便利な文法解説つき。



 「花の色は移りにけりないたづらに」ときけば、百人一首の中でも有名な小野小町の歌ということくらいは誰にでもわかるだろう。しかし、これに続く下の句、あるいは他の歌をどれほど知っているかとなると、とたんに怪しくなる。まして、歌詠みが歌に込めた一首ごとの気持ちや感動の情景を理解しているかとなると、もうお手上げなのではないだろうか。

 お正月の遊び道具として、どこの家にも百人一首のカルタくらいはあった。それが今はすっかり消えうせてしまった。著者は、そんな百人一首に、もう一度、光を当ててみようとしたらしい。その手法が、タイトルにもある「超現代語訳」というもの。

 例えば、小町の「花の色は」は「どんどんと私の姿変わったわ ただボンヤリとしているうちに」という調子。訳も見事に三十一文字で詠まれているのがミソだ。評釈つきで、文法解説もある念の入れよう。だが、「超訳」が何といっても面白い。百人一首の超簡単入門書だ。