家康
発売日
2002年08月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57785-2

家康
逃げて、耐えて、天下を盗る

著者 岳真也著 《作家》
主な著作 『吉良の言い分』(KSS出版)
税込価格 734円(本体価格667円)
内容 逃げること、耐えること、待つこと……。徳川家康が天下を盗った理由を、生まれながらの性質に求め、独白体で表現した長編小説。



 傑出した頭脳で天下統一の道を驀進しながら、あと一歩のところで、本能寺の変に倒れた織田信長。その後を継ぎ、「人たらし」と呼ばれるほどの巧みな人心掌握術で統一を成し遂げるも、慢心や朝鮮出兵などの暴政から、ついには組織の内部に綻びを生じさせてしまった豊臣秀吉。彼らの失敗を目の当たりにしつつ、自らの糧として、徳川家康は50歳を過ぎた身体で、天下を目指して行く。そのような考え方・行き方は、いかなる人生行路のもとに築き上げられたのか。本書では、時代小説の新境地をめざす著者が、「独白体」というユニークな文体で、家康の心境を描きあげる。人生半ばを越えた人々に対するエールとしても読める、長編歴史小説。