書籍
- 発売日
- 2002年08月01日
- 判 型
- 文庫判
- ISBN
- 978-4-569-57792-0
仏像を観る
著者 | 紀野一義文 《仏教研究家、写真家》 入江泰吉写真 |
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税込価格 | 943円(本体価格857円) |
内容 | 仏教研究家の著者が古都の仏像の魅力を語り、奈良を撮り続けた入江泰吉が仏像の美しさを醸し出す。仏像鑑賞書として贅沢極まる一冊。 |
本書の帯には、「美しい写真と滋味溢れる文章……。35体の仏像が現代人の心を潤す」とある。事実、奈良を撮り続け、平成4年に逝去した入江泰吉氏の写真は、凛とした仏像の魅力を見事に写し出している。物言わぬ仏ではあるが、その姿を見つめていると、殺伐とした世に生きる我々の疲れを癒し、心に染みる言葉を静かに語りかけてくるような気がする。
一方、先の大戦により家族と一切の財を喪った経験をもつ紀野一義氏の文章は、単にその仏の来歴の解説ではなく、波乱に富んだ人生を乗り切り、「生かされてある幸せ」を仏たちに感謝したお礼言上であり、信仰を職業としない仏教研究家の心の披瀝として、これまた味わい深い。
この二人が織りなす文章と写真のハーモニーは、まさに現代人の心に潤いを与えてくれる。仏像鑑賞に興味のある読者は言うまでもなく、日々厳しい社会環境の中に生きる我々に「生かされている喜び」を味わわせてくれる癒しの一冊である。
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