漢字の社会史
発売日
1999年02月22日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-60364-3

漢字の社会史
東洋文明を支えた文字の三千年

著者 阿辻哲次著 《京都大学総合人間学部助教授》
主な著作 『漢字の字源』(講談社現代新書)
税込価格 723円(本体価格657円)
内容 字源や歴史が奥深い文字=漢字。古代中国統一と漢字成立の意外な関係、どのように東アジアに広がったかなど、漢字と人間社会の奥深い歴史。



 文字は文明の乗り物であり、東洋の文明を動かしてきた原動力は「漢字」にほかならない。三千年にわたり、一貫して表意文字体系を維持する唯一の文字=漢字。字形だけで意味を伝達できる強烈な伝播力を背景に、東アジア一帯に展開した「漢字文明圏」も、アヘン戦争を契機にその勢力を失いはじめた。人々は文字を何に何のために書いてきたのか? 「漢字文明圏」はどこへいくのか? コンピューターと漢字の問題はいかに解消できるのか? 本書は、漢字研究の第一人者が、驚異の文字・漢字のパワーと可能性を探るものである。内容は、「漢字誕生伝説」「最古の文字記録」「神の文字から人間の文字へ」「古代におけるあこがれの職業・書記」「国家と行政と文字」「神代文字は後世の偽造」「最古の文字学書」「蔡倫造紙伝説」「王羲之の果たした役割」「21世紀と漢字」など。 三千年前の中国人が作ったアイコン(icon)という著者が迫る<文字と人間の歴史>。