二十一世紀をどう生きるか
発売日
2000年11月21日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-61391-8

二十一世紀をどう生きるか
「混沌の歴史」のはじまり

著者 野田宣雄著 《南山大学教授》
主な著作 歴史をいかに学ぶか』(PHP研究所)
税込価格 726円(本体価格660円)
内容 家族も職業も国家も拠り所にならない、不安と混乱の時代が到来する。ブルクハルト、ヴェーバー、親鸞の思想に混迷の世紀を生き切る智慧を見出す。



 「混沌の世紀」が到来する――クローン・グローバリズム・フリーター……科学技術・経済・個人のあらゆるレベルで混乱が起きている中で迎える二十一世紀は、不安定な末法の世になる。そう予見する著者は、そこではもはや職業も家族も国家も、生きるうえでの拠り所にならないと説く。その時、人は何を頼りに生きればよいか。

 金融崇拝・日本経済のグローバル化が起こり、悪が噴出し、末法思想に覆われた中世。そこでは「その日暮らし」が人々の生き方であった。「現世は不安定きわまりない世界」とし、中世の人々の救いとなった親鸞の他力思想こそ、現代の「混沌の時代」を生きていく智慧を与えるのではないか。

 浄土真宗の寺院に生まれながら、西欧の歴史・哲学を極めた著者は、やがて啓蒙主義、近代進歩史観への懐疑を抱く。最終的にブルクハルト、ヴェーバー、そして親鸞の思想に辿りついた著者の深い哲学と思想を通して混迷の世紀を生き切る人生観を提示。