カネと自由と中国人
発売日
2001年11月15日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-61724-4

カネと自由と中国人
ポスト天安門世代の価値観

著者 森田靖郎著 《ジャーナリスト》
主な著作 『赤い資本と白い資本』(集英社)
税込価格 726円(本体価格660円)
内容 金と自由に目覚めた中国人。天安門事件以後、新型チャイニーズが出現してきた。密航者から民主化の旗手までを追いながら描いた新中国論。



 天安門事件以後、共産党一党支配体制で経済のみの民主化―「社会主義市場経済」という歪な体制により、中国人の価値観は変容した。タブーとされていた「カネ」と「自由」と「性」をなりふり構わず求め始めたのだ。「先富起来」(金持ちになれる者から、先になれ)をスローガンに13億の人民たちは欲望を顕わに動き出し、世界のあらゆる場に流出しつつある。持たざる者は、密入国、偽装結婚、窃盗などをビジネスとして日本に潜む。民主化運動の旗手たちは、欧米に渡ってもなお共産党に挑み続けている。そして、共産党の弾圧にも関わらず増殖し続ける謎の集団・法輪講は……。

 人権問題、地域格差、中台問題、高齢化の懸念などを孕みつつも、WTO加盟、北京五輪開催を梃に疾走し続ける超大国・中国。本書は、70年代から中国社会をルポし続ける著者が、新生チャイニーズの潜在力と民主化への胎動を肌で感じながら描いた渾身のノンフィクションである。