2003年の「痛み」
発売日
2001年09月14日
判 型
B6判変型上製
ISBN
978-4-569-61871-5

近未来シミュレーション小説
2003年の「痛み」

著者 水木 楊著 《作家》
主な著作 『拒税同盟』(講談社)
税込価格 1,210円(本体価格1,100円)
内容 2003年9月、日本経済沈没――。グランドデザインなき「改革」の悲劇をシミュレートし、日本が模索すべき新たなベクトルとは何かを問う。



 《2003年9月、国債価格の暴落を引き金に、日本経済はついに破滅の局面を迎えた。不良債権を処理するはずの直接償却は、却ってデフレの足取りを加速。国債の暴落は銀行の手持ち資産の価値を半減させ、さらなる投売りを誘う。

 失業率は7%を超え、日経平均株価は五千円の大台割れを目前にしていた。ハローワークの行列が道に延々と連なり、テーマパークの跡地はホームレスが占拠。犯罪発生件数が激増し、「安全、安心」神話は過去の物語となった。

 小泉内閣が崩壊した日、48歳のサラリーマン・赤司光二の家庭も崩壊。フリーターの息子は家を後にし、高校生の娘はマレーシアの工場に就職。愛妻・久美子も赤司の元を去る……》

 真っ暗闇の最悪のシナリオを描き、そうならないためにはどうすればよいかをみんなで考える=「建設的悲観論」を標榜する著者が、ベクトルとグランドデザインなき「構造改革」に警鐘を鳴らす。衝撃の近未来シミュレーション小説。