手話ということば
発売日
2002年01月15日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-61965-1

手話ということば
もう一つの日本の言語

著者 米川明彦著 《梅花女子大学教授》
主な著作 『現代若者ことば考』(丸善ライブラリー)
税込価格 726円(本体価格660円)
内容 日本に約20万人はいるろう者。だが彼らの使う手話は言語として認められてこなかった。その苦難の歴史を明示し、手話公用語化を説く。



 「世界共通ではない」「抽象概念も表せる、文法もある」……。手話は、自然言語としての特徴を備えた、魅力的な「日本のことば」である。ろう者である妻との会話に日々それを使用する著者は、言語学者の立場からそう語る。

 だが、長年手話は言語としては認められず、単なるジェスチャーなどと侮蔑的に捉えられてきた。同時に、その使い手であるろう者は、情報やコミュニケーションが保障されず、多くの辛酸を嘗めてきた。日本に約17万人いるろう者の人間としての尊厳は、現在も未だ法的に守られる状態には至っていない。

 本書では、ろう者の歩んできた苦難の歴史と手話の言語的特徴を明示。「手話はろう者の第一言語」という立場から世界の潮流である「手話の公用語化」を訴える。

 <主な内容>◎ろう者との出会い、手話との出会い ◎ろう者の歴史と生活 ◎手話の歴史と現状 ◎健聴者にとっての手話 ◎手話にまつわるさまざまな誤解 ◎昔の手話、今の手話 ◎手話の公用語化etc.