なぜ、嫌な奴ほどいい目にあうのか？
邪悪な人物に翻弄されない人間関係術

　『なぜ、嫌な奴ほどいい目にあうのか？』……本書の題名を見て、「まるで、あいつのことだな」と誰かの狡猾そうな横顔を思い浮かべた人は多いだろう。本書は、『聖書』に出てくる「カインとアベルの逸話（神の恩寵を受けた弟アベルを、兄カインが妬んで殺してしまう）」をベースに、「なぜ善人が悪人の犠牲になるのか？」をいくつもの実例を引きながら考察する。筆者によれば、わが身のためなら仲間を平気で踏み台にし、失敗を人になすりつけ、巧みな嘘ですべてを正当化、そうして真の実力と業績をはるかに超えた高い評価・地位・報酬を手にしてほくそえむカイン型人間は、あらゆる職場や組織に潜んでいるという。本書では、そうしたカイン型人間の巧妙な手口を紹介しつつ、「奴らのおだて、謝罪、誠実な態度に騙されるな」「奴らの正体を暴くのは慎重に」とカイン型人間から身を守る具体的なアドバイスを解説する。邪悪な人物に翻弄されない人間関係術を学ぶための一冊。