特攻――還らざる若者たちへの鎮魂歌(レクイエム)
発売日
2003年07月18日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-62925-4

特攻――還らざる若者たちへの鎮魂歌(レクイエム)

著者 神坂次郎著 《作家》
主な著作 特攻隊員の命の声が聞こえる』(PHP研究所)
税込価格 1,760円(本体価格1,600円)
内容 「戦争」を経験した者にしか、伝えられないものがある。著者の心の奥底に残る特攻隊員たちの絶唱を、戦況と重ねあわせながら書き綴る。



 三十七年ぶりの鹿児島・知覧への取材の旅にでかけた著者。当時同行してくれた友人が、特攻観音の境内に建つ特攻英霊芳名碑に刻まれている文字の中に、著者の本名を発見し、驚きの声をあげる。「ここにお前さの名が……」――そこにはまぎれもなく、著者の本名があった。その名は同名異人であったが、著者の背筋に一瞬走るものがあった。「知覧を書こう」という著者の思いは頂点に達した。

 日本人が日本人であるために、忘れてはいけない過去がある。人間、いや人類の歴史上においても、稀有の出来事であった「特攻」という行動に焦点をあてて、当時の詳細な記録(日記・手紙・遺書・関係者の談話)とともに、勇・悲・哀・美といった日本人の心の奥底深くにある感情を鮮やかに描きだした著者渾身の感動の力作。月刊『歴史街道』にて約三年間という長期の連載を一冊にまとめた。この長年の活動が認められ、著者は第三十八回長谷川伸賞を受賞した。