不登校を乗り越える
発売日
2004年04月15日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-63611-5

不登校を乗り越える

著者 磯部潮著 《精神科医、臨床心理士》
主な著作 体にあらわれる心の病気』(PHP研究所)
税込価格 770円(本体価格700円)
内容 不登校やひきこもり傾向のある中学生、高校生の心の病とは。分離不安、心身症、思春期モラトリアムなど様々なケースを専門医が分析する。



 不登校十三万人の現実は何を意味するのか。育て方の失敗、教師の指導力不足、いじめ……。犯人探しをしても、根本的な解決にはならない。不登校には、不登校の数だけ理由があるのだ。

 本書では、臨床医の立場から、数々の事例をもとに個別の対応を考える。「分離不安」「思春期モラトリアム」をはじめ、その周辺に潜む「摂食障害」「多動性障害」「ひきこもり」などにも言及。そして、著者自身の不登校体験も語りながら、けっして悲観することはないと力説する。「不登校にかんする実態調査」によれば、不登校であっても、中学卒業後五年後には八割弱の生徒が就学、就労しているという。中学校を一年間に三十日以上欠席した生徒の八割近くが社会に参加しているということは、驚くべきことである。その点からも、不登校生徒の予後を必要以上に深刻に考えるものではないと、著者は語る。

 悩める親、教師、そして子どもたちに寄り添い、対策と支援の手をさしのべたメッセージ。