明如上人抄(みょうにょしょうにんしょう)
発売日
2004年07月26日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-63738-9

西本願寺第二十一代門主
明如上人抄(みょうにょしょうにんしょう)
幕末明治期の仏教を救った男・大谷光尊

著者 丹波元著 《作家》
主な著作 京都人と大阪人と神戸人』(PHP研究所)
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 幕末から明治期の西本願寺を守り立てるとともに、「廃仏毀釈」の波から日本の仏教界を救った第二十一代門主・大谷光尊の半生を描く物語。



 廃仏毀釈(排仏棄釈)――仏教を排斥し、釈迦の教えを捨ててしまい、寺院や仏像、経文など、仏教に関するすべてを破棄することである。明治新政府が誕生して間なく、半ば官吏公認というかたちで、この運動が全国に広まった。そして多くの重要文化財級の仏像仏具、仏典が焼却されたのである。

 この日本仏教消滅の危機に、たったひとり、捨て身の行動で立ち向かった男がいた。明如上人、すなわち西本願寺第二十一代門主・大谷光尊である。

 幕末の混乱期、父である先代の広如上人とともに勤王として本願寺を守り立て、神仏分離令に端を発した排仏運動では、先のように念仏者として信念をもって教部省の対応に反抗、危機を救う。さらに鹿児島開教。戦国期から真宗禁制がしかれていた当地で、西南戦争の戦後復興に本願寺をあげて取り組み、真宗を開教するのである。

 本願寺のみならず、日本仏教の中興の祖といえる偉大なる人物の半生を描く評伝小説である。