日本史「悪役」たちの言い分
発売日
2003年12月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-66088-2

視点を変えればワルも善玉
日本史「悪役」たちの言い分

著者 岳真也著 《作家》
主な著作 家康』、『爆笑!日本語教室』(PHP研究所)
税込価格 681円(本体価格619円)
内容 蘇我入鹿、明智光秀、吉良上野介など日本史の中で“悪役”と見なされてきた人物たち。その言い分をもとに歴史上の評価を再検討した好著。



 本能寺の変で信長を討った“逆臣”明智光秀、安政の大獄を断行した“冷酷な大老”井伊直弼……。日本史において“悪役”とされる者たちは、ワルの部分がことさら強調されて伝えられている。その理由を著者は、「権力者の都合によって歴史の見方が決定されるからだ」と言う。例えば、蘇我入鹿を“ワル”にしたてあげたのは、彼を殺して「大化の改新」を断行した中臣鎌足らの一派であり、また、大阪の陣に敗れた淀殿は徳川の世になってから“悪女”とされた。徳川幕府の大老として日本開国の大仕事をなした井伊直弼も、明治新政府からはただの専制政治家としか見なされなかった。

 本書は、権力者によってつくられた通説を別の視点から読みなおした型破りの歴史書。北条政子、斎藤道三、吉良上野介、田沼意次、芹沢鴨など、日本史の“悪役たち”の心中に秘められた“言い分”の実相に迫り、一般に流布されている通史に一石を投じる。

 『言い分の日本史』を改題。