三昧力(ざんまいりき)
発売日
2010年11月15日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-67569-5

三昧力(ざんまいりき)

著者 玄侑宗久著 《作家、臨済宗妙心寺派福聚寺住職》
主な著作 『四雁川流景』(文藝春秋)
税込価格 545円(本体価格495円)
内容 三昧とは、禅が教える「今」を楽しむ心のあり方。僧侶にして芥川賞作家である著者が、「ご縁」に応じて書き綴った好エッセイを収録。 



 楽しいことに没頭しているとき、ふだんから頭を離れない悩みや苦しみが、ふっと忘れられていたという経験はないだろうか。心を対象に集中していくと、それを意識する「私」が希薄に感じられてくる。「私」が希薄になると時間の流れも変わり、悩みや苦しみも「私」の作用であったことに気づく。「私」は「三昧」になっているのである。

 本書は、そんなふうにいつも「三昧」になって生活全体を楽しむことで、毎日を上機嫌に過ごすヒントが語られている。著者が縁に応じ、折にふれ書き綴ったエッセイを、「楽しむ」というキーワードで8章に分けて構成。ときに滋味深く、ときにユーモアたっぷりに、仏教、とくに禅の考えに立った達意の文章が味わえる。

 三昧力とは、「幼児の如く柔軟で没頭しやすい心の在り方のこと」。まずは何に没頭してもいいという立場で、「三昧」への頭の準備体操をしよう。晴れ晴れとした読後感に浸れる本。

 『玄侑和尚と禅を暮らす』を改題。