村をうるおした命の水
発売日
1998年09月08日
判 型
A5判上製
ISBN
978-4-569-68117-7

村をうるおした命の水
箱根用水をつくった人々の技術と熱意の記録

著者 若山三郎作
岩淵慶造絵
主な著作 菓子づくりに愛をこめて』(PHP研究所)
税込価格 1,496円(本体価格1,360円)
内容 1670年に完成し、現在も富士の裾野を潤す箱根用水。山腹に穴をあけ、芦ノ湖の水を引くという信じ難い工事を命がけで実現した人々の感動の物語。



 今から330年以上も前の江戸時代初期、芦ノ湖から水を引くために、箱根の山腹に1.2キロにおよぶトンネルを貫通させてできた箱根用水。今では水田をうるおすだけでなく、発電にも利用されて、その恩恵は計り知れない。水不足にあえぐ村人たちのために、当時としては神業とも思える難工事を、命がけで成功させた人びとの熱意と、高度な技術を描く。 今の静岡県裾野市深良一帯は、火山灰地で雨水が溜まらず、利用できる川もないので、村人は水田を作ることができず、毎年、年貢に苦しんでいた。名主の大庭源之丞は、山を越えた芦ノ湖の水を引くことさえできれば……と願うが、それは、誰もが「夢のまた夢」と一蹴する考えだった。しかし、トンネル掘りの第一人者、友野与右衛門をはじめ様々な人の力と、次から次へとふりかかる困難を乗り越える地道な努力の末、夢はついに現実となって、村人を救う。感動の一冊。