ネムの花は見ていた
発売日
1999年03月11日
判 型
A5判上製
ISBN
978-4-569-68168-9

ネムの花は見ていた
少女と少年の太平洋戦争(たいへいようせんそう)

著者 東條泰子作
ふりや かよこ絵
主な著作 『学校おばけを知ってるかい』(岩崎書店)
税込価格 1,496円(本体価格1,360円)
内容 戦時下の福井を舞台に、戦争に翻弄される人々の姿をいきいきと描いた物語。戦争の理不尽さと人々の懸命な生き方が伝わってきます。



 戦時下の福井を舞台に、戦争に翻弄される人々の姿を描いた物語です。 小6の同級生、正一と美鈴を軸に、昭和20年7月19日の福井大空襲を山場に話は展開します。 幸せな家族が戦争によってバラバラにされ、死においやられる。たび重なる不幸をのりこえながら家族が新しい形をつくり、幸せを求めていくというストーリーですが、空襲など劇的な場面や出来事の描写にリアリティーがあります。美鈴が福井大空襲の火の海を逃げまどい、背負った幼い姪を死なせてしまうところなど、ぐいぐいひきこまれます。 「戦争は人を鬼にする」「ほんとうに悪い人はいない」など、心をうつ言葉も多く、作者の実体験や思索が生かされた力作です。 戦争の理不尽さと人々の懸命な生き方が伝わってくる、文学性豊かな感動的なお話です。