[新装版]「般若心経」を読む
発売日
2007年07月23日
判 型
A6判上製
ISBN
978-4-569-69453-5

[新装版]「般若心経」を読む
愚かさを見すえ、人生の素晴らしさを知る

著者 水上勉著 《作家》
主な著作 『雁の寺』(文藝春秋)
税込価格 1,100円(本体価格1,000円)
内容 この世に悩みの種をまいて生きる現代人。救いのない暗闇にいるからこそ、 ありがたく思える「般若波羅密多」。著者自身の体験を経に映し、よむ、生身の般若心経論。



 「美しい容貌もひとどきのことだというなら、そのひとときに永遠なる思いをこめて、その美しさが実体なのだ、空なのであるものかと、狂うようにめでている時が、生き身のありがたさだと感じる、といったら、菩薩はもちろんお叱りになろう……」。人間はなぜ瑣事に悩み、色に惑うのか。悩み惑い続けながら、なぜ「生」に執着し「色」に執着するのか。自ら煩悩の熱い炎に焼かれ身悶えしながら、なお人間の真実に迫ろうとする水上勉が、一筋の光明を求め、「心経」を一休和尚に問い、正眼(しょうげん)国師に質(ただ)す。その苦悩の果ての悟りとは――。一千数百年にわたって読みつがれ、唱え続けられて来た日本人の心の原点「般若心経」が最高の語り手を得て現代に甦る。