<完本>閑話一滴
発売日
2015年02月02日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-76311-8

<完本>閑話一滴

著者 水上勉著 《作家》
主な著作 『雁の寺<全>』(文春文庫)
税込価格 792円(本体価格720円)
内容 「一滴の水にも命がある」――現代社会が見失っている、日本人の自然・風土を慈しむ心に触れる随想集。未文庫化の続編と合本した完全版。



 没後10年を経た文豪・水上勉の全集未収録の掌編エッセイ『閑話一滴』。24年前にPHP文庫から刊行され、好評を博した本作に、未文庫化の『続・閑話一滴』を加え、72篇を収録した完全版が待望の刊行!

 9歳で仏門に入り、17歳で僧院を脱走、貧困のなかで職を転々とし、40歳のとき『霧と影』でベストセラー作家に。『雁の寺』『越前竹人形』『飢餓海峡』などの代表作により国民的人気を博した著者だが、そのまなざしは自然への畏敬、生命の讃歌、弱き者への温かさにあふれ、都会に暮らす現代人が忘れがちな「真の人間らしさ」を問いかけてくれる。

 「愛着というものは、便利さにあるのではなくて、心をつくしたことにある」「竹はまがらない。まっすぐだ。節操を守って孤独に立つ」など、日常の折々の出来事に材を得ながら、滋味にあふれ、本質を射抜く至言に思わずはっとさせられる。

 装画から本文の挿画まで作家自らの作品というファン垂涎の一冊。