成り上がり
発売日
2010年11月01日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-79159-3

成り上がり

著者 江上剛著 《作家》
主な著作 『起死回生』『失格社員』(以上新潮文庫)
税込価格 1,870円(本体価格1,700円)
内容 「千両の分限者になる」との志を抱いて江戸へ……。裸一貫から日本一の金持ちへと成り上がった安田善次郎の、前半生を描いた力作長編。



 「俺は千両の分限者になってやるぞ。絶対に!」

 幕末から明治、大正と激動のつづく時代を生き抜き、ハダカ一貫から日本一の金持ちに成り上がった銀行業の元祖・安田善次郎。明治の成功者の中でも、一介の庶民から、今に続く企業グループを築き上げるまでに出世した男は珍しい。彼の成功への強い意志はどこから生まれ、培われていったのか――。

 本書は、少年だった善次郎が「千両の分限者」を志すきっかけとなった行商中の富山城下での出来事に始まり、二度の江戸行きの失敗、江戸での紆余曲折を経ての安田屋の開店、銀行設立に至るまでの様々なエピソードを盛り込みながら、怒濤の前半生をリアルに描いた長編小説である。

 低迷を続ける日本を再び甦らせるにはどうすればいいのか、21世紀を力強く生き抜いていくためには何が必要なのか。金融業界を舞台にした作品を数多く手がけてきた著者が、今こそ「平成の善次郎、出でよ」との強い思いを込めて綴った渾身の一冊!