生活保護vs子どもの貧困
発売日
2013年11月15日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-81545-9

生活保護vs子どもの貧困

著者 大山典宏著 《社会福祉士》
主な著作 生活保護vsワーキングプア』(PHP研究所)
税込価格 836円(本体価格760円)
内容 基準が引き下げられた「生活保護」と、拡大しつづける「子どもの貧困」。制度だけでは救えない真の問題に、新たな枠組みを提唱する。



 受給がバレたらいじめられ、一方、働く母親の下では困窮する子どもたちの真実。

 派遣村、保護費によるギャンブル禁止条例、芸能人の母親による受給の発覚……生活保護をめぐる問題はあとを絶たない。激しいバッシングが起こるなか、2013年8月、ついに保護基準の引き下げが決定された。最大で10パーセントの削減が受給家庭を直撃する。

 しかし、生活保護の是非が取り沙汰される陰で、不幸になっている存在を忘れてはいないだろうか。ほんとうに目を向けるべきもの、それは子どもたちだ。困窮家庭に育った子どもは、十分な教育環境もなく、社会に出ても安定した職には就きにくい。さらに母子家庭の半数以上が貧困状態にあり、小中学生の6人に1人が就学援助を受けているなど、日本社会が抱える悲惨な現実がそこにはある。

 制度の賛否については活発に議論されるが、それだけで「貧困の連鎖」を断ち切れるのか。長年、行政でのサポートと民間でのボランティア活動に取り組み、双方の立場で貧困問題に取り組む著者だからこそ語れる、知られざる現場の生の声をレポートする。