アジアを救った近代日本史講義
発売日
2013年12月13日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-81703-3

アジアを救った近代日本史講義
戦前のグローバリズムと拓殖大学

著者 渡辺利夫著 《拓殖大学総長》
主な著作 『新脱亜論』(文春新書)
税込価格 990円(本体価格900円)
内容 後藤新平や新渡戸稲造のめざした「戦前のグローバリズム」を拓大を補助線にして読み解き、「暗黒の戦前期」なるイメージを払拭する大著。



 周辺諸国との軋轢が高まるなかで「歴史問題」を耳にしない日はない。しかしこれまで学校で教わってきた「歴史観」はほんとうに正しいのか。その猜疑とともに、日本の近代史をもう一度学び直そうという機運は高まるばかり。その格好のテキストが本書だ。

 冒頭で著者はいう。「国家の歴史を肯定的に受けとめなければ、私どもが献身すべき対象をみいだすことはできません」。そうした視点で明治維新から敗戦に至る歴史を俯瞰し直したとき、そこにはアジアの発展に尽くし、世界に雄飛した人々がいた。

 著者が総長を務める拓殖大学は、まさにそうした「戦前のグローバリズム」を担い、生命を賭してアジアに貢献する人材を生み出す大学だったのだ。桂太郎、後藤新平、新渡戸稲造。拓殖大学の草創期を担った稀代の人物たちはいかに「興亜」を志し、行動したのか。

 同時にその営みを知ることは、そもそも私たちはなんのために「国際化」しなければならないのか、というグローバル化の本質を学ぶことにもなる。「否定の言葉でまみれた過去」を問い直し、日本人としての誇りと自信、そして未来を拓く力を与えてくれる一書。

 

 内容例:尊皇攘夷は一瞬の花火のようなものだった/台湾ほど教育制度の充実した植民地はなかった/日英同盟――明治日本の外交的資産/韓国併合は避けられない選択肢であった/朝鮮で聖者と呼ばれた日本人/追い込まれる日本――ワシントン体制の成立/日本の行動の自由を奪った九国条約/拓殖大学の中の「興亜思想」/満州事変に関するパル判決文の判断/“南京虐殺”という虚偽/東京大空襲によるキャンパス崩壊/国際協力大学構想の夢/インドネシア賠償留学生 ほか