コンサルタントは決算書のどこを見ているのか
発売日
2014年02月18日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-81724-8

コンサルタントは決算書のどこを見ているのか
会社の経営状態を見抜く22の質問

著者 安本隆晴著 《公認会計士・税理士、株式上場準備コンサルタント》
主な著作 『強い会社をつくる会計の教科書』(ダイヤモンド社)
税込価格 924円(本体価格840円)
内容 決算書は裏側――「見えない無形資産」を読みなさい。ユニクロの成長を支えた社外監査役が教える「会社の数字の真実と正しい見方」。



 <学校の成績表>と<企業の決算書>は似ている。なぜならどちらも、過去のある一時点の評価結果にすぎないのだから。

 学生時代にオール5だった人が、大人になって成功するとはかぎらない。同じように、決算日時点でオール5のような輝かしい経営成績を残した会社が、数年後も継続して成長できる本物の実力を兼ね備えているのかどうか、じつは判断できないのである。

 その意味で、PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)、CF(キャッシュフロー計算書)の数字は、じつは何も教えてくれないともいえる。

 たとえば、最近では多岐にわたる事業を営む企業が増えているが、合算された損益計算書だけを見ても、それぞれの事業の経営状態、ましてや各事業の赤字の内実はわからない。あるいは売上高、営業利益がまったく同じ会社があったとして、財務体質や将来の見通しはぜんぜん違うだろう。

 冷静に考えれば当たり前の話なのだが、私たちは、客観的であるという〈数字の魔力〉に縛られて、ついつい決算書至上主義に陥っていないだろうか。

 生き残りをかけて複数の事業に挑戦したり、なかには業態転換を試みたりする企業がいまや少なくないなかで、いったい企業価値って何だろう? 時価総額って?――決算書の数字だけを眺めたところで、その答えはいつまでも出てこないのだ。

 企業の競争力の源泉は「見えない無形資産」にある。そして、それを知るために覚えておきたい22の質問がある。

 社外監査役としてユニクロ、アスクルの成長を支えてきた経営・上場準備コンサルタントが、従来の「決算書の読み方」本とは一線を画し、時代の趨勢にあった「ホンモノの会計思考」を教えます。

 微妙な舵取りを迫られながら上をめざす経営者・起業家や、ますます複雑化する決算数字に悪戦苦闘する経営戦略室・経理担当、リーダークラスの人はもちろん、自分の会社の行く末が心配でたまらないすべてのビジネスパーソン、明るい未来が見える会社に就職したいすべての学生、そして、たしかな投資先を見つけたいすべての人に読んでほしい。

 【目次】

 第1章 時価総額と純資産の違いは、いったい何だろう?

 第2章 ほんとうはいったい何をする会社なの?

 第3章 2つの会社は同じ利益、でもほんとうの中身は?

 第4章 決算書には限界がある

 第5章 数字はそもそもアヤフヤである

 第6章 会社の真の実力を見抜く質問リスト

 第7章 これくらいはオープンにしなさい!