すべての神様の十月
発売日
2014年06月20日
判 型
四六判並製
ISBN
978-4-569-81917-4

すべての神様の十月

著者 小路幸也著 《小説家》
主な著作 『札幌アンダーソング』(角川書店)
税込価格 1,540円(本体価格1,400円)
内容 貧乏神、福の神、疫病神――。もしも人間の姿をした神様が身近にいたら……。「東京バンドワゴン」で人気の著者による心温まる連作集。



 榎本帆奈は驚いた。金曜日の夜、行きつけのバーで隣り合ったハンサムな男性は、死神だったからだ。帆奈に召喚されたという死神は、いままで一度も“幸せ”を感じたことがないらしい。なぜなら“幸せ”を感じた瞬間、死神は……「幸せな死神」。

 池内雅人は貧しかった。貧乏神に取り憑かれていたのだ。ツキに見放された人生だったが、そんな人生を自ら<小吉人生>と称して楽観視していた。一方、貧乏神には雅人に取り憑かなければならない“理由”があった。なぜなら雅人が並々ならぬ……「貧乏神の災難」。

 人は時に、感謝したり、絶望したり、大事なものを見失いかけたりするもの。そんな人々の前に現れる神様の「意外な目的」が胸を打つ。

 「東京バンドワゴン」シリーズで人気の著者が紡いだちょっぴりひねりを利かせた短篇集。