日本海軍機関科将校の反乱未遂
発売日
2015年07月17日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-82607-3

日本海軍機関科将校の反乱未遂
組織を揺るがした差別問題の真相

著者 雨倉孝之著 《日本海軍史研究家》
主な著作 『帝国海軍士官入門』(光人社NF文庫)
税込価格 2,530円(本体価格2,300円)
内容 日本海軍において常に組織内の頭痛の種であった「機関科将校の差別問題」。海軍関係者が書ききれなかったテーマを徹底研究。



 「機関科問題」と聞いて、その意味が理解できる人は、かなりの海軍通であろう。本書で扱った命題は、普通の戦史には決して出てこない、“裏面史”である。だが、明治期以来の日本海軍史を通じて、軍首脳が頭を痛め続けてきた大問題であり、「海軍のガン」と呼ばれていたほどのものだったのだ。それは一言で言えば、「組織内差別」であった。具体的には、「同じ軍艦に勤務している士官であるのに、海軍兵学校卒のほうが海軍機関学校卒よりも偉いという規定があり、機関科士官の中に不満が堆積した状態が慢性化していた」というものだ。海軍は、軍紀の乱れと士気の低下を生む元凶となっていたこの問題を重視し、長年にわたって様々な施策を繰り返したが、ついに問題解決を見たのは、大東亜戦争の終戦間際であった。今日まで、海軍関係者が書くに書けなかった問題の全貌を、ついにまとめあげた、貴重な一冊である。