てんびんの詩(うた)
発売日
2019年06月26日
判 型
A5判並製
ISBN
978-4-569-84048-2

てんびんの詩(うた)

著者 竹本幸之祐原作
大野志信漫画
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 近江商人発祥の地。時は大正末期。13歳の少年が、てんびん棒を担ぎ、鍋蓋売りの行商に出る。大店の長男に課せられた初めての試練。物を売るとは、商売の心とは何か。



 時は大正末期。滋賀県琵琶湖のほとりの五個荘町(現・東近江市)。大商家の長男・近藤大作は、優秀な成績で小学校を卒業した。祝いの言葉とともに父から贈られた包みの中身は、鍋の蓋だった。父は、明日からそれを行商して売ってこいと言う。売れなければ、たとえ長男であっても、店を継がせることはできないと。「なんで。なんで、こんなもん売るの? なんで?」……それは、何不自由なく育ってきた13歳の少年に初めて与えられた試練だった。途方に暮れながらも、一人鍋蓋を売りに歩く大作。母親も、親戚も、知人も頼れない。足を棒にして歩いても、鍋蓋は売れぬまま、3か月が過ぎる。商いとは何か。家を継ぐとはどういうことなのか?苦難の末、ようやく大作は、商人の、そして商いの魂を知った。涙の先に大作が見たものは?……30年前に、映像作品として人々の胸を打ち、涙を誘った名作が、いま、漫画として、再びの感動をお届けします。