春を待つ
発売日
2021年03月18日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-84811-2

春を待つ

著者 松下隆一著 《作家、脚本家》
主な著作 『羅城門に啼く』(新潮社)
税込価格 1,760円(本体価格1,600円)
内容 第1回京都文学賞受賞作家であり、NHK「雲霧仁左衛門」の脚本家が贈る、人間の強さと家族のすばらしさを見つけられる感動小説。



 愛する家族を喪った者たちの絶望が希望に変わる日

 愛する息子を喪い、未来をなくした夫婦は悲しみの果てに離別。平和だった家族は崩壊した。

 それから数年を経た命日の前日、夫は過去を忘れるために、息子の骨壺を抱え、心が凍てつき暗い家に引き籠る妻を訪ねる。だがその途上、夫は実の両親を亡くした少年と出会い、妻の家に一緒に泊まることに。

 その日から心に仄かな灯が生まれた。

 3人の孤独な魂が寄り添う時間のなかで、それぞれの絶望が希望に変わり、夫婦は再生の路に立ち、少年は未来に向かって歩みはじめる。

 「人は少しずつよくなるしかない、少しずつ幸せになるしかないんだ……」

 第1回京都文学賞受賞作家であり、NHK『雲霧仁左衛門』など、映画やドラマで絶大な影響力を誇るベテラン脚本家が、人間の業、そしてどん底から這い上がる人の強さと家族の絆を感動的に描く。