ガラスの海を渡る舟
発売日
2021年09月09日
判 型
四六判並製
ISBN
978-4-569-85012-2

ガラスの海を渡る舟

著者 寺地はるな著 《作家》
主な著作 『水を縫う』(集英社)
税込価格 1,760円(本体価格1,600円)
内容 「みんな」と同じ事ができない兄と、何もかも平均的な妹。ガラス工房を営む二人の10年間の軌跡を描いた傑作長編。



 大阪の心斎橋からほど近いエリアにある「空堀商店街」。

 そこには、兄妹二人が営むガラス工房があった。

 兄の道は幼い頃から落ち着きがなく、コミュニケーションが苦手で、「みんな」に協調したり、他人の気持ちに共感したりすることができない。

 妹の羽衣子は、道とは対照的に、コミュニケーションが得意で何事もそつなくこなせるが、突出した「何か」がなく、自分の個性を見つけられずにいる。

 正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていて、祖父の遺言で共に工房を引き継ぐことになってからも、衝突が絶えなかった。

 そんなガラス工房に、ある客からの変わった依頼が舞い込む。それは、「ガラスの骨壺が欲しい」というもので――。

 『水を縫う』『大人は泣かないと思っていた』の寺地はるなが放つ、新たな感動作!

 相容れない兄妹ふたりが過ごした、愛おしい10年間を描く傑作長編。