浩宮さま
発売日
2024年12月02日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-90454-2

浩宮さま
強く、たくましくとお育てした十年の記録

著者 浜尾 実著 《元東宮侍従》
主な著作 『殿下とともに』(角川文庫)
税込価格 990円(本体価格900円)
内容 遂に文庫化! 浩宮さま(現在の天皇陛下)の「ご養育掛り」をつとめた著者による、陛下の幼少期の記録。美智子さまの育児にも共感。



 ≪浩宮さまも、はじめは、「パパ」「ママ」であった。幼児には発音しやすい呼び方だから、そのほうが自然だったのである。幼児語からの卒業を心がけるようになってからは、皇室の習慣にしたがって「おもうちゃま」「おたたちゃま」と改めて行った。いずれは、「ちゃま」でなく「さま」になるための段階として――。幼児語にさようならするには、まず周囲がそれを使って語りかけないようにすると同時に、ひとつひとつの言葉について、根気よく言いなおしをくり返して行かなければならない。私は、意識して、そのことに努めた。その他の宮さまの幼児語は、ほとんど、こどものすべてが使う言葉と、同じであった。ブーブー(自動車)、ワンワン(犬)、トット(にわとり)、デチュ(です)、アチュイ(熱い)。宮さまが「ワンワン」と言われると、そのたびに私は、じっとお顔を見て「いぬ(ヽヽ)ですね」と言いなおすようにした≫(本書「二 楽しかった幼稚園生活」より)

 皇室の姿、感動の日常!

 東宮侍従として、浩宮さま(現在、天皇陛下)の「ご養育掛り」を約10年間もつとめ、「オーちゃん」と呼ばれていた著者(故人)。当時の日常が、あるがままに、感動の逸話で彩られた本書を、装い新たに、解説を付して、文庫版で復刊致しました。

 上皇陛下、そして上皇后美智子さまの子育ての姿、浩宮さまの日常に、心が揺さぶられます。

 「よき日本人とは、よき家庭とは」を考えさせられる一冊です。

 〔目次〕

 一 幼き日の思い出
●私が決意した日
●人間として立派に
●美智子さまの育児心得ノート
●オーちゃん、ごめんなさい

 二 楽しかった幼稚園生活
●集団の中で育つ抵抗力
●ボク、大きくなりたい
●詩情豊かな人に
●独立心を育てる

 三 少年時代のご教育
●お父さまゆずりの制服
●背番号3の浩宮さま
●はじめての〝ひとり旅〟
●お母さまとしての美智子さま
●三人きょうだいの兄
●皇室を継ぐ方として
●御所を去る日に

 
●あとがき
●解説:笛吹雅子<日本テレビ 解説委員(皇室担当)>