人名事典

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グレゴリー・クラーク

 一九三六年英ケンブリッジ生れ。オックスフォード大学大学院経済学専攻修士課程修了。オーストラリア外務省入省、駐ソ大使館一等書記官。『ジ・オーストラリアン』紙東京初代局長。上智大学教授を経て、多摩大学学長。

 新渡戸稲造の「武士道」を講義の教材に使うなど、政治学から日本人論まで、独自の視角で切り込むオーストラリアの在日研究者。自民党による一党支配の政治を、英米的二大政党政治に勝る日本的英知として高く評価し、他国もこれにならうべきだと主張した(『内外人がみた日本』)。北方領土問題では、外交官経験に基づき、「今なお取り戻せない理由」はそもそも米国がソ連の領有を認めているからだと主張して外務省を慌てさせたこともある(『Voice』85年3月号)。

 著書『内外人がみた日本』(秀英書房、81年)、『ユニークな日本人』(講談社、79年)、『国際政治と中国』(アジア経済研究所、70年)。

(データ作成:1997年)