人名事典

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中山 茂

(なかやま・しげる)
 一九二八年兵庫県生れ。東京大学理学部卒。ハーバード大学博士号取得。東大助教授を経て神奈川大学教授。

 もともとは天文学を勉強、卒論を出す際、教授と衝突して専門を切り替えたという。科学史の観点から「批判機能衰えた学術会議」「復権めざす批判的科学運動」「東大に見る受験的知性の行方」などと学界の現状に鋭い批判を投げつけてきた。『エコノミスト』(82年8月24日号)では、「軍事化は科学技術に始まる」と題してレーガン軍拡路線を背景に日本の科学技術が軍事化していく可能性を指摘。『エコノミスト』(91年9月3日号)では、日本の一部学者が指摘する日米の基礎科学研究の格差について米との差が少しずつ縮まりつつあると分析。「相手の方が優れていることを強調して政府や企業、スポンサーの危機意識を煽り、研究予算の増額を計ろうとするスプートニク以来、科学界に定着した基礎科学者の戦略が潜んでいる」と指摘した。

 著書に『天の科学史』(朝日新聞社、84年)、訳書にN・セビン著『中国のコペルニクス』(思索社、84年)。

(データ作成:1997年)