人名事典

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中野 翠

(なかの・みどり)
 一九四六年埼玉県生れ。早稲田大学政治経済学部卒。出版社勤務を経て、フリーのコラムニスト、映画評論家。

 映画評論から社会時評まで毒気のあるコラムを書いて人気を呼ぶ。八七年に起った“アグネス論争”では林真理子氏とともにアグネス批判を展開。上野千鶴子氏らフェミニストの猛反発を食う。日本のフェミニズム運動には批判的で、上野氏を代表とする「代理店感覚」のフェミニズムには現実問題からの「逃げを感じる」、「プライドのない思想」だと切って捨てている。屈折を内に抱えながらけなげに生きる人を応援する(だから「大乃国さま」の熱狂的ファンだった)。恥を知り、「ひねくれ者」の美学を貫く姿勢が潔い。

 著書に『生意気時代』(文藝春秋、92年)、『映画の友人』(ちくま文庫、95年)など。

(データ作成:1998年)