人名事典

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利根川進

(とねがわ・すすむ)
 一九三九年愛知県生れ。京都大学理学部卒。バーゼル免疫学研究所主任研究員を経て、マサチューセッツ工科大学ガン研究所生物学部教授。

 病原体を生体が撃退する免疫システムに関する謎に取り組み、遺伝子工学を駆使して免疫グロブリン(抗体タンパク質)をつくる遺伝子の構造を世界で初めて解明。高等動物の細胞遺伝子が発生分化の過程で組み替えられる仕組みを明らかにし、定説をくつがえした。この成果で八七年には日本人初のノーベル医学・生理学賞を受賞。最近では脳の研究にシフト、九二年にはマウス実験で人間の学習能力に不可欠な脳内のタンパク質をつくりだす遺伝子を突き止め、脳の機能解明の手掛かりともなる研究論文を発表したほか、民間企業の後天性免疫不全症候群(AIDS)の医薬品研究への協力など幅広い分野で活動。鹿児島大など大学学長選にもしばしばノミネートされた。

(データ作成:1997年)