人名事典

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向井千秋

(むかい・ちあき)
 一九五二年群馬県生れ。慶應義塾大学医学部卒。同大外科教室助手を経て宇宙開発事業団入り。九四年、米国スペースシャトル「コロンビア」に日本人女性初の宇宙飛行士として搭乗。約二週間、微小重力実験を行い帰還。この実績が買われ、九八年打ち上げ予定の「コロンビア」での「ニューロラブ計画」に搭乗科学者として参加が決定。

 医学、科学の仕事を通じて「はかなさと人間の力のすごさを体験した」。死を間近に見てきたからこその人間への優しさと、その人間が生み出す科学技術への驚嘆が人生観の根底をなす。搭乗中は八十種類にものぼる実験をこなし、クルー仲間からは「ハードワーカー」のあだなも。「科学者は独りよがりでなく、一般との接点を求めないと空回りするだけ」と宇宙のスポークスマン役を買って出る。

(データ作成:1999年)