人名事典

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宇沢弘文

(うざわ・ひろふみ)
 一九二八年鳥取県生れ。東京大学理学部卒。初め数学を専攻するが経済学に転ずる。スタンフォード大学教授、シカゴ大学教授、東京大学教授、新潟大学教授を歴任。

  戦後日本の数理経済学をリードし、多くの分野で業績を残している。近年は「一つの普遍的な統一された公理体系から論理的に演繹された」経済体制を批判し、「そのときどきの時点で、社会を支配している政治的、経済的、社会的、自然的な諸条件が相互に交錯」していることを考慮する「制度主義」の考え方を強調する。そして著作・発言は、社会批判や文明論的な色彩を帯び、自動車の社会費用・地球温暖化などの問題を大胆に取り上げることが多くなった。最近は規制緩和を激しく攻撃するなど、警世家としての性格を鮮明にしている。

 著書に『二十世紀を超えて』(岩波書店、93年)、『地球温暖化の経済学』(岩波書店、95年)などがある。

(データ作成:1997年)