人名事典

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橋口 收

(はしぐち・おさむ)
 一九二一年東京都生れ。東京帝国大学法学部卒。大蔵省に入り、理財局長、主計局長、国土庁事務次官、公正取引委員会委員長を歴任。広島銀行頭取を経て広島銀行取締役相談役。

 官僚らしくなく、直言するタイプと言われている。公正取引委員会委員長時代、日米交渉で「日本の企業風土を変えろといってもそう簡単に変るものではない。最低限どんな行為が違反しているか、世界統一独禁法をつくったらどうか」と持ちかけて、米国側をあわてさせたというエピソードもある。流行りの規制緩和については、「いまの規制緩和は幽霊の足を切るようなもので、切ったつもりでも全然切れていない」とじつに冴えたことをいう切れ者である。

 著書に『饒舌と寡黙』(サイマル出版会、76年)などがある。

(データ作成:1997年)