人名事典
渡部忠世(わたべ・ただよ) |
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一九二四年神奈川県生れ。京都大学農学部卒。京都府立大助教授、鳥取大教授、京大農学部教授、東南アジア研究センター所長などを経て放送大学教授。農耕文化研究振興会代表。 東南アジアや中国などで農業調査に出かけ、長年にわたり稲の起源やその伝播を研究。「稲の道」からみる日本文化論も展開した。国あげての議論になった「コメ自由化」問題のとき、著書を通じて、日本の稲作が損得勘定などから崩壊しかねない危機的状況に警鐘を鳴らした。その背景には独自の稲作文化論がある。アジアに広がった稲作が各地の独自の農法と文化のもとで発展し、「天来の食物」たる稲作文化という視点である。「瑞穂の国」という言葉がそれを象徴する。そこに生産効率優先のアメリカの稲作との相違点を見出す。 著書に『稲の大地』(小学館、93年)。 |
(データ作成:1997年) |