人名事典

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袴田茂樹

(はかまだ・しげき)
 一九四四年大阪府生れ。東京大学文学部卒。モスクワ国立大学大学院ソビエト社会論修了。東大大学院国際関係論博士課程修了。芦屋大学教授、青山学院大学助教授を経て、青山学院大学国際政治経済学部教授。

 モスクワ大学留学中に、ロシア人学生たちと胸襟を開いて付き合い、「ロシア社会の息づかい」を肌で知りえたことが、自らのロシア分析の基礎だという。二期目のエリツィン政権は、治安の回復や社会政策のため、国家の役割が大きくならざるをえず、外交も国益中心の現実主義路線が強まると予測(『毎日新聞』96年7月29日)。北方領土問題については、いかに「ロシア自身の利益になることを説得し、実感させるか」にかかっているとして、婉曲な表現ではあるが、法的正義に依拠する外務省の姿勢を批判した。

 著書『ソビエト・七○年目の反乱』(集英社、90年)、『深層の社会主義』(筑摩書房、87年)、『ソ連-誤解をとく二五の視角』(中央公論社、87年)。

(データ作成:1997年)