人名事典

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長谷川徳之輔

(はせがわ・とくのすけ)
 一九三六年静岡県生れ。東北大学法学部卒。建設省に入り、経済企画庁、日本住宅公団、建設経済研究所を経て明海大学教授。

 戦後の土地税制は、緩和路線が続き、土地を利用するより地価上昇によるキャピタルゲインを得るための資産にしてしまい、また、土地担保だけに信用創造を求めてきた銀行にそもそも問題があったと、バブル期だけでなく戦後の土地税制を批判する土地本位経済の否定論者である。いま土地の需給はまったく逆転し、今後も人口がピークを迎え、農産物の自由化や工場の海外移転という要因も加わって供給競争が激化すると予想し、バブルの再燃を心待ちにする人々を絶望させる。不動産市場を回復させるためには民間の市場メカニズムにまかせていたのでは無理で、公共機関が不良資産の買収、整理、有効利用をすべきであると主張する。

 著書に『断末魔の地価』(日新報道、91年)などがある。

(データ作成:1997年)