人名事典

>> 検索トップへ

黒田 眞

(くろだ・まこと)
 一九三二年東京都生れ。東京大学法学部卒。通産省入省、通商産業審議官を務めて退官。三菱商事専務に転身したのち東京中小企業投資育成副社長。

 通産省時代の最後の大役が、日米半導体交渉。タフ・ネゴシエーターとして名を馳せ、米国の担当官を「子どもじみた物言いをするものではない」とたしなめて激怒させた武勇伝をもつ。「市場シェア二○%」の政府保証を密約した張本人として批判されたが、米国が「あまりにも乱暴で、一方的で、独りよがりだった」ので、「その記憶が残っている百年くらいのあいだは、日本人は同じ過ちを繰り返さない」と述べた(『Voice』94年5月号)。「戦う通産省」の狼煙を上げた先覚者ともいうべき人物。

 著書『日本とアメリカ・21世紀へのシナリオ』(共編、PHP研究所、90年)、『日米関係の考え方』(有斐閣、89年)。

(データ作成:1997年)