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『ラストで君は「まさか!」と言う』文学賞 受賞作発表

2023年1月22日から5月31日まで作品投稿を受け付けておりました『ラストで君は「まさか!」と言う』文学賞、最終選考の結果を発表いたします。

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(敬称略)

大賞
賞金10万円+2024年3月発売のシリーズ最新刊に作品を掲載
『黒猫ラブレター』 永良サチ

優秀賞
賞金5万円+2024年3月発売のシリーズ最新刊に作品を掲載
『運命のニュース』 ツキノ マコト

優秀賞
賞金5万円+2024年3月発売のシリーズ最新刊に作品を掲載
『嘘も方便』 佐久村志央

優秀賞
賞金5万円+2024年3月発売のシリーズ最新刊に作品を掲載
『放課後の幽霊』 改造ペンギン8号

結果講評

このたびは『ラストで君は「まさか!」と言う』文学賞に、たくさんの作品をご投稿いただき、誠にありがとうございました。

応募総数1,398作の中から最終選考に進んだ作品は、次の9作品でした。

【1】『フィルムカメラのおじいちゃん』 式さん
【2】『運命のニュース』 ツキノ マコト
【3】『とうめいにんげん』 春野ゆき
【4】『嘘も方便』  佐久村志央
【5】『黒猫ラブレター』 永良サチ
【6】『ときかけ神社』 いしまる いくこ
【7】『放課後の幽霊』 改造ペンギン8号
【8】『告白の行方』 八谷紬
【9】『わたしを探す旅』 FUSAKO


いずれも読者対象となる小中学生を意識した設定かつ、シリーズコンセプトである「ラストのどんでん返し」が鮮やかに描かれている点が印象的な良作でした。
児童書出版部の編集者7名が厳正なる審査をおこない、この9作の中から大賞作品と優秀賞作品を決定させていただきました。

大賞 『黒猫ラブレター』 永良サチ

『どんな人にでも、必ず手紙を届けてくれる黒猫がいる』そんな噂を信じ、炎天下のなか手紙を手に、黒猫を探すひとりの女子。そんな彼女を、「もう諦めればー」と軽口をたたきながら見守る男子視点でお話は進んでいきます。噂の黒猫を見つけることはできるのか? 彼女は誰に手紙を届けてほしいのか? なぜそんなにも必死に黒猫を探すのか? 彼女が書いた手紙を読むことで、序盤から散りばめられた謎と伏線が回収されていく展開と描写力がお見事でした。「まさか!」の真実に気づいたあと、もう一度読み返したくなる作品の構成力の高さを評価し、大賞入賞作といたしました。

優秀賞 『運命のニュース』 ツキノ マコト

夜中トイレに向かった帰り、リビングから明かりが漏れていることに気づいた主人公。見ると、消し忘れられたテレビから未来を予言するようなニュースが流れていて......という、ある種の都市伝説のような不気味な導入に、一気に作品世界に引き込まれました。不幸な運命を回避し、ほっとしたのも束の間、さらなる不幸に見舞われて......という展開はややホラーの定番感があるものの、主人公を通じて読者の感情がジェットコースターのように浮き沈みする構成と描写力が素晴らしかったです。結末への道筋をもう少しだけ捻ることで、「先が読めないドキドキ感」をより強めることができるかと思います。

優秀賞 『嘘も方便』 佐久村志央

ちょっとした嘘ばかりつく、転校生の新堂夢子。「嘘つき新堂さん」と蔑まれる彼女を見かねて、「嘘はついちゃダメだよ」と言葉をかける主人公の男子が辿る結末が、読み手の予想を軽々と超えていく......まさに「まさか!」なラストが印象的でした。独特な世界観と、難しい設定をショートショートという限られたページ数かつ、子ども達が理解できる言葉選びで展開できる表現力の高さが素晴らしかったです。若い読者は、新堂さんが嘘をつく理由そのものや、ラスト1行に込められた意味を理解することが難しい可能性があるため惜しくも大賞を逃しましたが、意味を理解できた読者にとっては、新堂さんは忘れられない存在になると感じ、優秀賞入賞作といたしました。

優秀賞 『放課後の幽霊』 改造ペンギン8号

「旧校舎の二年二組教室には幽霊がいて、放課後に一人でその教室にいると出てくるらしい」という噂を耳にした、中学二年生の主人公。友だちが出来ずにいた主人公が「幽霊でもいいから、話し相手がほしい」と考え行動していく......という導入部分が面白く、読者が自然と登場人物たちを応援したくなるようなキャラクター設定に好感が持てました。幽霊の女の子と、人間の女の子が放課後の教室で会話を交わしていく展開に叙述トリックが使われていましたが、若い読者はそこに「読みづらさ」を感じてしまうかもしれません。真実を明かすシーンの構成をもう少し工夫すると、ストレスなくラストまで一気に読み進められると思います。ラスト3行は文句なしで素晴らしく、感動しました。

以上、受賞者のみなさま、おめでとうございました!

受賞作品は2024年3月発売予定の『ラストで君は「まさか!」と言う』シリーズ最新刊に掲載されます。ぜひご一読ください。


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