紙つぶて(完全版)
発売日
1999年03月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57252-9

紙つぶて(完全版)

著者 谷沢永一著 《関西大学名誉教授》
渡部昇一解説
主な著作 読書の悦楽』(PHP研究所)
税込価格 943円(本体価格857円)
内容 昭和44年から足かけ15年にわたって書き続けた書評コラム450篇をまとめた著者の代表作。『紙つぶて(全)』、待望の復刊。



 とかく内容と著者の紹介を中心に、半分ほめて半分けなしてお茶を濁す書評が多い中で、本書に収められた書評コラムという「作品」は異彩を放っている。 知識は正確をきわめ、守備範囲は洋の東西、古今を超え硬軟とりまぜ、あくまで広い。「これぞ」と思う名作には過不足ない賞賛を与え、一見に値する奇書を見逃すことがなく、世におもねった俗書、奇を衒っただけの愚書の類は容赦なく一刀両断に斬って捨てる。一篇600字という限られた紙幅の中で、その本と本の周辺の事情を閃光のごとく照らし出す鮮やかな技は、見事の一語に尽きる。 昭和44年3月から昭和58年8月まで、あしかけ15年にわたって大阪読売新聞(夕刊)、雑誌『銀花』等に書きつづけた、著者自らライフワークと認ずる書評コラム「紙つぶて」455篇を集大成。鋭利な刃物のような切り口の賞賛と批判は、読書の海を航海する人の、正確無比な羅針盤になること間違いない。