ドキュメント 太平洋戦争への道
発売日
1999年04月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57260-4

ドキュメント 太平洋戦争への道
「昭和史の転回点」はどこにあったか

著者 半藤一利著 《作家》
土門周平解説
主な著作 『ノモンハンの夏』(文藝春秋)
税込価格 817円(本体価格743円)
内容 昭和5年の統帥権干犯から満州事変、二・二六事件、真珠湾攻撃など、戦前の昭和のターニングポイントを克明に描く歴史ドキュメント。



 歴史の真相を探るとき、そこには必ず「そこに至るまでの過程」と、「その原因となった火種」を見出すことができる。昭和16年12月8日未明の真珠湾奇襲に始まる太平洋戦争開戦にも、もちろん「そこに至るまでの過程」があった。本書は、日本がなぜ、太平洋戦争開戦を決定するに至ったのか。その過程を克明に描いた歴史ドキュメントである。 一般的に「太平洋戦争への道」といえば、満州事変から論じられることが多いが、著者は「“海軍がなぜ開戦にノーといなかったか”遠因をさぐるため」に、あえて昭和5年のロンドン海軍軍縮条約批准をめぐる統帥権干犯問題を第1章においている。それは、「複雑に絡んだ昭和史の謎を解く鍵は統帥権という“魔物”にある」からだという。 手記や資料から歴史的事実のみを徹底的に拾い出しつつ、11年間におよぶ昭和史の転換点をドラマのように活写した文章は、長年『文藝春秋』の編集に携わった者の芸そのものである。