范蠡(はんれい)
発売日
2000年08月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57435-6

范蠡(はんれい)
越王句践(こうせん)の名参謀

著者 立石 優著 《作家》
主な著作 鈴木貫太郎』(PHP研究所)
税込価格 713円(本体価格648円)
内容 「臥薪嘗胆」の句践を補佐した范蠡。卓抜した軍才と政治手腕で活躍するも、のちに官を去り商人として生きた稀有の生涯を描く長編小説。



 「臥薪嘗胆」「呉越同舟」など、数多くの故事を生んだ中国春秋時代の呉と越の戦い。その戦いにおいて、卓抜した軍才と優れた政治手腕で越に勝利をもたらし、越王句践に覇をとなえさせた名将が范蠡である。

 しかしのちに王との確執から官を辞し、商人として巨財を築くもその富を周囲に分け与えるなど商人の鑑としても名を残した。

 いわば、軍師と豪商の二つの人生を成功させた稀有の才能をもった、中国の歴史上でも類稀な人物といえる。

 本書は、そんな范蠡の稀有にして波瀾に満ちた生涯を、雄渾な筆致で描き出した長編歴史小説である。

 日本でも、南北朝騒乱の時代、南北朝方の忠臣・児島高徳は、隠岐に配流された後醍醐天皇の館の庭の桜の木に「今の時代にも句践王を支えた范蠡のごとき忠臣がいます」と書して天皇を激励したという故事がある。中国のみならず、日本においても、その忠臣ぶりは著名だったのである。

 PHP文庫書き下ろし中国人物シリーズ。