太公望(たいこうぼう)
発売日
2000年09月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57457-8

太公望(たいこうぼう)
殷王朝を倒した周の名軍師

著者 芝 豪著 《作家》
主な著作 河井継之助』(PHP研究所)
税込価格 776円(本体価格705円)
内容 中国・周の文王と武王に仕え、強勢を誇った殷王朝を優れた軍略で打倒した太公望呂尚。その波瀾に満ちた生涯を描く中国歴史人物長編。



 時は、四○○年続いた中国殷の時代末。周の国で、魚が釣れるはずもない真っ直ぐな釣り針を水面の上に垂らし、幾日も川辺に佇む老人。その老人の噂を聞いて会いに赴いた周の文王は、一目会っただけで、先君の太公が予言した、周に興隆をもたらす大賢人と見抜き、軍師とした。その老人は、太公が待ち望んだということから、「太公望」と尊称された。

 太公望は、文王とその子武王に仕え、比類なき軍略と、ときには権謀術数をも自在に駆使して周の国力を増強させ、強勢を誇った殷帝国との戦いに勝利をもたらし、周に覇をとなえさせた……。

 後世、兵法の始祖とも称された太公望。のちに項羽を倒して漢帝国を樹立した劉邦の軍師張良も、太公望の兵法書といわれる『六韜』から得た軍略で劉邦に勝利をもたらしたと伝えられる。

 本書は、そんな伝説に彩られた史上最高の軍師太公望の叡智に溢れた生涯を、雄渾な筆致で描き出した長編歴史小説である。

 文庫書き下ろし。