信長の合戦
発売日
2001年03月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57531-5

信長の合戦
八つの戦いで読む知謀と戦略

著者 戸部新十郎著 《作家》
主な著作 忍者の謎』(PHP研究所)
税込価格 901円(本体価格819円)
内容 群雄割拠の戦国時代を制した英雄・織田信長。その戦略・戦術の卓越性を、桶狭間にはじまる八つの合戦から導き出した長編・歴史読み物。



 織田信長はなぜ、戦国の覇者となりえたのか? 激しい気性と勇猛果敢さから、颯爽たる英雄と見られがちな信長だが、その強さの本質は、合戦に対する臆病なまでの慎重さにあった。事前に徹底した情報収集を行ない、勝つ自信を得るまで続けられる知略の数々。有名な桶狭間の大勝でさえ、事前に徹底した諜報活動を行なう一方、予行演習ともいえる奇襲戦を経験していたのだ。しかも勝てそうにない強敵には、平気でへり下ってみせる。三方ケ原の戦いのとき、徳川家康を破った武田信玄の使者が来ると、「家康若気ゆえに」として謝罪の言葉を述べている。

 織田信長が日本史上に稀有な大英雄であるのは疑いがない。しかし、群雄のなかから一人抜きん出て天下一統の道を突き進めた秘密は、じつは戦場で干戈を交えるまでの準備段階にこそ隠されている。桶狭間の合戦から本能寺の変に至る信長の八つの合戦を描きながら、その戦い方の卓越性を読み解いた歴史読み物の傑作。