つぎの一歩から、人生は新しい
発売日
2002年04月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57728-9

つぎの一歩から、人生は新しい
足の裏で歩け

著者 松野宗純著 《武生地蔵院住職》
税込価格 524円(本体価格476円)
内容 人生は、大地をしっかりと踏みしめるように、焦らず一歩ずつ着実に歩むこと。大企業経営者を経て禅僧となった著者の情味溢れる人生論。



 ビジネスマンとしていかに有能でも、いざ家庭に戻れば口下手になり、子どもからも煙たがられる存在でしかない。そんな不器用な生き方しか見せられないのが世の親の常である。とはいえ、やはり親ならばこそ、自らの信念やわが子への思いを伝えたい。だが、どのような形で表現すればいいのか。

 本書は大手企業の経営者を経て、定年後に禅僧となった著者が、息子たちに宛てた手紙の形を取りつつ、いい親でなかったほろ苦い後悔の念までも包み隠さず、淡々と書き綴った情味溢れる人生論である。

 本文中の一通では、実業界で完全燃焼しつつも生きることの意味が見出せず、定年後に禅の道を求めた心境を率直に披露し、一度きりの人生を地に足つけて、ゆっくりとでも着実に歩めという意味の「足の裏で歩け」という禅の教えこそ、親としてわが子に一番伝えたかったことだと語る。

 父親然として子どもと向き合うのが照れくさく、どうも苦手だという親に一読を勧めたい。