大化改新の謎
発売日
2002年07月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57767-8

大化改新の謎
闇に葬られた衝撃の真相

著者 関裕二著 《歴史作家》
主な著作 消された王権・物部氏の謎』(PHP研究所)
税込価格 586円(本体価格533円)
内容 大化改新の英雄・中大兄皇子は、なぜ当時の民衆に不人気だったのか。悪役・蘇我入鹿の正体から解き明かす大化改新の衝撃の舞台裏とは。



 大化改新といえば、聖徳太子亡きあと天皇の実権を剥奪、反動勢力の代表となった悪役・蘇我入鹿を、改革派の英雄・中大兄皇子や中臣鎌足らが討ち倒し、いわば王政復古を実現した政治クーデターというのが定説である。

 ところが著者によれば、中大兄皇子や中臣鎌足らの実像に迫るほど、定説とは異なる謎が次々と浮き彫りになるという。本書は日本最古の正史『記紀』を中心に、大化改新を巡る舞台裏と真相を読み解くことを試みた問題作だ。

 例えば、中大兄皇子が当時の民衆になぜ不人気だったのか。それは内政の充実を優先し、朝鮮半島への軍事介入を回避したという聖徳太子が執った善政の後継者という民衆の期待を、中大兄皇子が見事に裏切ったからだと指摘する。外交政策の違いや孝徳天皇擁立の背景を検証しつつ、聖徳太子の後継者で改革派の旗手こそ実は蘇我氏であり、時代に逆行した反動勢力こそ中大兄皇子や中臣鎌足だと断ずる。

 古代史の定説を覆す意欲作。