古代史に隠された天皇と鬼の正体
発売日
2021年05月31日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-90135-0

古代史に隠された天皇と鬼の正体

著者 関裕二著 《歴史作家》
主な著作 古代日本人と朝鮮半島』、『地形で読み解く古代史の謎』(PHP研究所)
税込価格 968円(本体価格880円)
内容 大自然が「神」であり「鬼」であった日本人にとって神の末裔である天皇は祟る鬼でもあった。天皇と鬼という切り口から古代史の謎に迫る。



 日本人は、鬼が大好きだ。お伽話は鬼で溢れている。

 鬼とはいったい何者なのか。

 鬼は本来、目に見えない、得体の知れない恐ろしい存在と考えられていた。

 たとえば、秋田のナマハゲが蓑笠を着ているのは、寒さや雪対策だけではない。鬼の格好を表象している。身を隠して見えないという設定で、鬼を表現しているのだ。

 その「隠す」「隠れる」の「隠」の一文字を「おん」と読み、「おん」が「おに」となった。

 古代日本人にとって「鬼」とは「祟る神」であり、大自然そのものだった。

 恵みももたらせば、災害も起こす。強力なパワーを持つ、目に見えない、恐ろしい存在は、すべて鬼だったのだ。

 また、天つ神の末裔である天皇も同様に恐ろしい存在と見なされた。

 実権のない弱い祭司王であった天皇が、生き残った大きな理由がここに隠されている。

 古代史における鬼は、現代人の想像をはるか超える影響を及ぼしていたのだ。

 『天皇と鬼』を改題し、加筆・再編集。