すらすら読める「平家物語」
発売日
2002年12月02日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57852-1

すらすら読める「平家物語」

著者 高野澄著 《作家》
主な著作 井伊直政』(PHP研究所)
税込価格 880円(本体価格800円)
内容 長編軍記物を一冊にまとめた、琵琶法師の口上で始まる小説。清盛登場から後白河法皇の最期まで、その面白さ、奥深さを存分に楽しめる書。



 「祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす……」源平武者たちの合戦と人間の哀歓を描き、華麗な文化遺産として永く愛読されてきた「平家物語」。本書は、この日本を代表する軍記物を、琵琶法師(作者の分身)の口上で始まる読みやすい物語仕立てにした長編小説。単なる政権の移り変わりや争乱の事実描写にとどまることなく、あたかも同時代人の目と心を通して語られたかのように、平安末の世相が再現されていく。

 平氏はなぜ、源氏に敗れたのか? 平家一門の興隆から滅亡までを、登場人物の心情を織りまぜながらわかりやすく描く。清盛を育てた祗園女御、「朝日将軍」の異名を持つ源義仲、熊谷次郎直実が斬った「若武者大将」平敦盛、「牡丹の花」といわれた平重衡などを巧みに描写し、壮大な人間絵巻の面白さと奥深さを存分に伝える。

 この一冊で、知っておきたい古典の世界が手軽に楽しめる。文庫書き下ろし。